2021.10.14[company ]
アーバンリサーチと三井物産アイ・ファッションが「commpost」を活用し新たな梱包袋を共同開発
“廃棄衣料アップサイクル”で使い捨て紙資源の使用削減へ
株式会社アーバンリサーチ (以下UR)は、三井物産アイ・ファッション株式会社 (本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 今井徳、以下MIF)と協業し、再利用可能な梱包袋の共同開発を行い、2021年10月より両社での運用を開始いたします。
目的と経緯について
両社では、商品調達における取引のため、日々、素材および製品の見本を配送するやり取りが行われています。配送時における紙製梱包袋の消費に疑問を抱くなか、使い捨て紙資源の使用削減と、両社における廃棄衣料問題等(SDGs)に対する従業員意識向上を目的に、この度、繰り返し使える新たな梱包袋の共同開発が実現しました。
きっかけとなったのは、2021年3月、URが発注したメーカーで生産された衣料品のうち、不良等のため納品されずメーカー側で廃棄されていた衣料品をURが買取り、異業種協働の廃棄衣料アップサイクルブランド「commpost (コンポスト) ※1」の原料にする取り組みを開始したことに始まります。そこから、URの特例子会社である株式会社UR テラス(本社:大阪府大阪市西区、代表 萩原佳子、以下URテラス)を生産パートナーとして迎え、commpostの素材を利用した新たな製品開発が進められてきました。
梱包袋の開発について
梱包袋の生地として採用したcommpostは、素材の特性上「撥水性」「耐久性」に優れており、繰り返し使用するアイテムに向いています。そういった素材特性を生かしつつ、且つ配送時に利便性の高い仕様となるよう、細部にまでこだわり完成させました。意見交換に費やした時間は半年以上にものぼり、試作品の試験運用も複数回行われました。
今後の展開について
commpostの活用により繰り返し使用可能な梱包袋が誕生した本取り組みですが、今後は企業間の垣根を超えて広く活用し、使い捨て紙資源の使用削減を目指します。
尚、commpostは2025年大阪・関西万博に向けた取り組み「TEAM EXPO 2025」プログラムの「共創チャレンジ ※2」に“チーム commpost”として登録しており、廃棄衣料を蘇らせるチャレンジに参加するパートナーを募集しております。今回の梱包袋の共同開発もそのチャレンジの一環です。
引き続き、共創パートナーを受け付けておりますので、ご興味のある企業・団体は以下までご連絡をいただきますようお願い申し上げます。
(株式会社アーバンリサーチ サステナビリティ推進課:info-sustainability@urban-research.com )
※1 commpost (コンポスト)について
共有、共同、常識、良識を意味する「common(sense)」と郵便・提示する・標柱を意味する「post」を組み合わせた造語。
敷居が高いと思われがちな「アップサイクル」という考え方に、ファッションの分野から、スタイルのある新しい価値や考え方を提示していく。
これからの地球環境や人のはたらき方・暮らし方に対して、新しい常識を示していきたい。そんな想いから誕生したサステナブルマテリアル・プロダクトブランド。
> commpost SPECIAL SITE
> Instagram @ ur_commpost
取り組みの流れ
障がい者を含むパートナーとともに色ごとに分別された廃棄衣料は、研究者グループ*の技術によりシート成形され、その後、異業種協働によるものづくりが行われます。そして、お客様が使い終えたcommpost製品は店頭にて回収し、また新たなcommpost製品へと生まれ変わります。
* Colour Recycle Network
2015年4月、京都工芸繊維大学大学院 木村照夫教授(現名誉教授)をプロジェクトリーダーとして発足。当時、同研究室に在籍していた内丸もと子(テキスタイルデザイナー)が提案した素材分別が難しい廃棄繊維を色で分けてリサイクルする「カラーリサイクルシステム」をコンセプトに、デザイナー、研究者、成形加工業、故繊維業、素材メーカー等がネットワークを組んで、廃棄繊維から付加価値のあるプロダクトを開発している。 USA等海外の学会でも研究成果を発表している。
https://colourloop-jp.com
※2 共創チャレンジについて
共創チャレンジとは、大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を実現するため、自らが主体となって未来に向けて行動を起こしている、または行動を起こそうとしているチームの活動であり、当社は廃棄衣料を蘇らせるチャレンジとして関係各所の皆様とチーム「commpost」の活動を登録しております。多様なパートナーシップの実現により、アパレル業界全体の廃棄衣料の削減、ひいては地球環境負荷の軽減に貢献し、同時に、障がい者をはじめとする就労困難者や地域住民との協働を目指します。
> TEAM EXPO 2025 official page
> 廃棄衣料を蘇らせる「commpost」
当社のSDGsへの取り組み
株式会社アーバンリサーチでは2019年12月に独自のSDGs基本方針「3C」を宣言。国際社会の一員として、SDGsを積極的に支援し、アパレル企業視点で個性を活かした取り組みを推進しています。
commpost (コンポスト)は当社での廃棄衣料を大幅に削減したほか、障がい者雇用の促進や地域・大学研究団体との協働により生まれた点から、3Cにおける「1. Clothing Innovation /衣料資源の有効活用」「3. Community Building /コミュニティの形成」を軸に進行した取り組みです。
commpostの場合
障がい者をはじめとした就労困難者の雇用が生まれます
障がい者や働きづらさを抱えた人々に就労の機会を提供することを通じて社会参加を促していくことを目指しています。持続可能な経済成長の実現のため、包摂的で働きがいのある仕事づくりを行っていきます。
衣料 / 古繊維をアップサイクルし、持続的に活用できる革新基盤を構築します
パートナーシップで共同開発を行い、研究から商品化を実現することで廃棄衣料や古繊維をアップサイクルしやすい基盤を構築します。素材開発を行うことで、安定的な基盤を目指します。
持続可能な生産と消費のパターンです
「売れなくなった商品を廃棄しない」 という当社、「使わなくなった製品を捨てない」という消費者の行動から始まる、しくみです。
環境を守ることができます
カラーリサイクルの循環を構築することで、CO2の排出を抑制することを目指しています。温室効果ガスの排出量を抑えることで、気候変動の具体的な対策となります。
協働で付加価値を創造するプラットフォームです
当社、NPO、大学、他企業、そして生活者一人ひとりの理解と協力によりカラーリサイクルの商品が生まれます。